The 駐在員リレー@ISTANBUL 第59通

Istanbul Navi 2019年12月号

 

 

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aFrom 松田 勇希さん

asurafilm Türkiye

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Q. トルコ赴任時のご感想をお聞かせください!

アスラフィルムはアニメーション制作会社です。そんな我々がある日、トルコにFacebookで広告を打ちました。「Merhaba.Ben asurafilm.Memnun oldum」……。たったそれだけの挨拶広告に10%のトルコ人が反応、「いいね!」をくれたのです。弊社がトルコ挑戦を決めたきっかけでした。日本のアニメが大好きなトルコに日本式のアニメとキャラクター制作の方法を伝え、CMから作品まで多岐にわたる創作活動を行う。その任を全うするべくトルコ担当としてこの地にやってまいりました。

そんな私ですが、個人的にもトルコにもベストマッチしております。食材が豊富でご飯が美味しく、優しい人が多く、そしてそんなに寒くない。これが来土1年目で私が抱いたこの国の印象です。プラスなことしかありません。毎日が本当にとっても充実しています。トイレの水が止まったり停電したり、税金を払ったにもかかわらず携帯が止まりそうになったり、Wi-Fiがビックリするくらい遅かったり、バスが全然こなかったり、ラジバンダリ(注:お笑いコンビ『ダブルダッチ』より)

挙げるとキリがないこれら数々のトラブルをトラブルと思わずに過ごせるのは、周りのトルコ人たちがその環境に微塵も動揺しないからだと思います。「この困難な状況は必ず解決するために存在するのだ」と。

この国で学んだのは、スピードと適応力。決定したらとにかく早く。決定するまでの準備もとにかく早く。だけど待つときは待つ。バス停で路上に立ち尽くしたトルコ人たちを見ていると、「やがてバスは来る」「その時に立っているか否か、だ」……そんなことを思わされるのです。日々の生活においては、会社から様々な援助を受けているおかげで不安を感じたことは一度もありません。

ドラマチックな紹介文にしたいと思い、色々と不安要素を捏造しようと試みましたが、初来土するときのアエロフロートが大揺れだったことと、トルコのご飯が美味しすぎて少しガタイがよくなってしまった……ということくらいですね。そして「日本のアニメーション制作会社のトルコ担当」としてイスタンブールで暮らしているからこそ、という意見かもしれませんが、とにかく皆さんが優しくしてくれて、とにかく皆さんが会ってくれて、とにかく皆さんが興味を持ってくれます。営業やプレゼンテーションのときも、日本からきたアニメ会社というだけで様々な恩恵を授かっているというのは間違いありません。ネットで調べて連絡を入れたらすぐに返信が来て、会いに行ってみた出版社がトルコで一番大きな会社だったり。そんなことばかりが続いています。とにかく「トルコで一番◯◯な人たち」に会えることが多くて……驚かされてばかりの一年でした。

また、常に英語を喋れる親切な誰かが現れます。ついついその厚意に頼ってしまって、英語でコミュニケーションをとってしまうんです。その結果、滞在期間が1年になろうとしている今も、トルコ語で何かを伝えるにも「挨拶と感謝だけ」という仙人のような状態で暮らしています。ようやく一年経った今、一念発起。トルコ政府が募集する週末トルコ語スクールに応募し、現在猛勉強中です。

今では現地でも複数のパートナーやスタッフ、そして協力者を得られたお影で益々トルコを知ることとなり、仕事を通してこの国が大好きになりました。そんな日々を綴っている弊社のFacebookがございます。ご興味ある方はチラリと覗いてみてください!

 

 

Q. アスラフィルムをご紹介ください!

ここで弊社の簡単なご説明をさせていただきます。株式会社アスラフィルムはアニメ制作会社です。本社は東京ですが、他にも金沢、岡山、沖縄にスタジオがあり、総勢50名以上のスタッフが働いています。加えて中国、アルゼンチン、ギリシャなどにも提携アニメーターを有しており、日本では珍しい国際的な事業展開を行っております。また、弊社社長の望月がweb系広告会社を経験してることもあり、皆さんがアニメと聞いて思い浮かべる「作品制作」だけでなく、商業的なCM制作やSNSにおけるキャラクター運用など、本当に幅広く様々な仕事が舞い込んできております。

同時に、同社長が業界屈指のクリエイティブ集団『STUDIO 4℃』出身ということもあり、世に排出するアニメーション作品からキャラクターに至るまで「限られたスケジュールの中で最も高いクオリティーを出す」との好評価をいただいております。そのお陰もあってか、年間平均で約300ほど制作されている国内アニメーション作品のうち100作品以上に携わっております。
また、CM制作の案件にも多数従事させていただいており、2017年に日清食品ホールディングス株式会社のCMとして制作させていただいたアニメCM『SAMURAI NOODLES -THE ORIGINATOR-』は、第20回アジア太平洋広告祭」(ADFEST2017)のFILM CRAFT LOTUS部門
にて<SILVER>: Animation (In-Camera or Digital)を受賞しました(日清食品グループ公式ページMOVIE)。

トルコにおいてはBeşiktaşとアニメーション制作事業を目的としてやって参りましたが、今では他にも漫画事業やキャラクタービジネスの制作・コンサル事業など、ここでは書ききれない多種多様なお仕事に企画・参画させていただいております。2020年にはトルコでの法人会社を設立予定でおり、トルコを軸に中東での展開を画策されている法人企業の方、現地のローカル企業の方、何よりアニメが大好きなトルコ人を心の底からワクワクさせる作品とサービスを今後も展開してまいります。ご興味を持っていただいた方はぜひ一度ご連絡ください。皆さまのお悩みをアニメで解決させて頂くべく、資料を持って馳せ参じます!


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Q. 松田さんのイスタンブールライフをご紹介ください!

限られた空き時間ではありますが、やはりアニメは見ますね。新作アニメよりは過去の名作を見返すことが多いです。プロのアニメーターさんとお仕事をさせてもらった上でその知識をおさらいするように名作を見ると、「これは本当に幼い頃に見たあの映画なのか!?」「全然違って見えるじゃないか!!」と驚きと新鮮さを持って見返すことができるのです。

あとはサッカーと読書……といっても漫画ですね(笑)。最近は、JETROイスタンブールの中村さんからお借りした『空挺ドラゴンズ』に見事ハマってしまいました。

サッカーというのは、毎週日曜日に早起きして参加しているF.C. KIRMIZI BEYAZでの「週末サッカー」のことで、運動不足解消にとても役立っています。早朝から体を動かすとその日1日がとても清々しくスタートし、有意義な週末を過ごすことができます。ご興味持った方は一度、参加していただきたいです。レベルに関係なくサッカーを楽しめるチームですので。

いつの日かはトルコ現地チームと対戦もしてみたいですねキャプテンも読んでるという噂のこのコラムで、1つリクエストを……)。

そして何より、Beşiktaşの試合です!過去、実況解説者としてフラットに試合を見ることが仕事でしたが、今ではひとつのチームを本気で応援しながら見ることができるので、試合観戦の方法が劇的に変わりました誰かを応援しながらスポーツを観戦すると、本当に熱くなります。ドラマを細部まで楽しめるし、スタジアム観戦はやっぱり最高ですね。

何よりトルコのサッカーは世界で一番熱い!W杯を2度現地で見ましたが、全く引けをとらない!そんな熱気が毎週末、スタジアムとBeşiktaşの街を包んでいます。やはりこの国のサッカーは独特で魅力的です。皆さんもぜひ、スタジアムで生のBeşiktaşのマッチを見てください。ご要望があれば隣で「ほどよい解説サービス」もさせていただきます!!

 

 

Yuki MAZDA

asurafilm Türkiye Animation Producer

2007年 株式会社たき工房(広告制作会社)入社プロデューサー/営業担当として大手食品会社、スポーツアパレル企業、金融企業などの広告制作を担当

2014年 サッカー好きが昂じ過ぎた結果ブラジルW杯を機に退職、ブラジルで日本サッカー協会関係者に直談判の営業活動

2015年 サッカー実況解説者として活動開始

2016年 初のJFL生放送でサッカー実況解説を担当

2017年 サッカー通訳業開始(英語)

2018年 W杯ロシア大会に現地参戦

2019年 ロシアで出会ったFIFA公認プロカメラマンからの紹介で1月に株式会社アスラフィルム入社4月にトルコ担当としてイスタンブール赴任Beşiktaş Vodafone Parkオフィスにて勤務、アニメ・キャラクター制作に携わる

2020年 株式会社アスラフィルムはトルコに法人会社設立予定

 

 

 

 

asurafilm Türkiye

 

 Vodafone Park,1-Kadırgalar Cad,Vişnezade,Beşiktaş,ISTANBUL
 +90-553-956-0743

 asurafilm.com


 

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