The駐在員リレー@ISTANBUL　第41通

忘れもしない2015年1月5日。アタテュルク空港に着くと、横殴りの猛吹雪が私を待ち受けていました。南国生まれの私は寒い場所で住むことに慣れておらず、空港に降り立った時に「えーっ、こんな寒いところで過ごすんかぁ。嫌やなぁ……」と思いながら黄タクでホテルへ向かったことを鮮明に憶えています。あれからこの1月で丸3年。振り返ってみると、あっという間でしたね。

赴任したタイミングでトルコではテロが頻発し始め、最初の2ヶ月のホテル住まいの時はNHKワールドニュースのトップがトルコ国境でのテロの話題であることが多く、且つ冬で雪雨の日が多いことも重なり、ホテルの部屋でひとり憂鬱な想いをして暮らしていました。それ以外にも人生初のギックリ腰をやったり、何をするにしてもコミュニケーションがうまくいかずにイライラすることが多かったりと、初めての日本国外生活で不安、戸惑いとストレスの多かった1年目でした。そんな中、治安悪化の環境下に家族が来ることに対する親族や友人の反対を説得し、2015年4月から2年間、ここトルコで家族と一緒に過ごしました。現在はイスタンブールのアジア側に移り住み、充実した単身生活を送っています。今までのトルコ生活を振り返ると……

　1年目 ➡︎ 今までの人生では経験しなかったことに遭遇することが多く、人生で最も苦労した年 

　2年目 ➡︎ トルコ(人)の風習に慣れ、「郷に入っては郷に従え」の精神で対応できるようになった年 

　3年目 ➡︎ 自らトルコ(人)の懐に入り込んでいき、気持ちに余裕が出てきた年 

になりました。4年目をどう過ごすか、さらにステップアップできるよう人生ゲームしたいと思います！

トルコの即席めん市場が始まって4年。日本が60年もの歴史があるのと比べるとトルコはまだまだ初期市場に過ぎません。周知の通り、トルコの食文化はコンサバティブと言われています。それだけお母さんの手の込んだ料理が最も美味しく、且つ、家庭での内食が重んじられている証しだと思います。故にトルコで食品ジャンルに新参者が進出することはなかなかハードルが高いと実感します。また、トルコは親日国ですが、それがそのまま食品業界にも当てはまるかというと、そうではありません。つまり、食品の中身やパッケージで日本色を出して日本をアピールしたとしても、それだけでは恐らくトルコ人はついてきてくれません。一方でトルコは若者が多く、情熱的なパワーを感じます。家族から離れひとり暮らしの生活をする学生、新しいものに高い興味関心を持つ若者、女性の社会進出等、社会生活の変化に対して即席めんが持つメリットを活かせるチャンスは充分にあると期待しています。トルコにはないエキゾチックな食べ物、それであってユーザー本人にとって身近な食べ物、生活において必要な食べ物として位置付けられた時が、即席めん市場が一気に伸長していく変曲点だと思っています。今でも日々勉強中ですが、即席めんによっていつかトルコの食文化に新しい風を起こせることを信じながら精進して参ります！