The駐在員リレー@ISTANBUL 第40通

Istanbul Navi 2017年12月号

 

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 From 小嶺 広展 さん

株式会社みずほ銀行イスタンブール駐在員事務所 所長

 

 

Q. トルコ赴任時のご感想をお聞かせください!

2015年6月に赴任するまで、旅行でも出張でもトルコに足を踏み入れたことはなく、ごく一般的な知識くらいしかありませんでした。アタテュルク空港で通関後の入国ゲートを初めて出たとき、目の前は家族や友人を迎えに来ている人たちで溢れかえっており、その混雑さに圧倒されました(これは今でも毎回感じます)。あまりにも人が多く、迎えに来てくれているはずの前任者がなかなか見つからず、不安だったことを覚えています。1週間の引継後、前任者が帰国し、まだ当地の状況もよくわからずオフィスに日本人1人で不安を覚えていたところに、当地はバイラム休暇に突入。頼りにしていたトルコ人の部下たちも旅行や実家に行ったりでいなくなってしまい、文字通りオフィスに1人きりで不安な毎日を送っていました。不安ばかりが先行しましたが、それ以外にトルコに対して感じたことは以下の通りです。
 
 車の運転が乱暴、渋滞が激しい!
これは今さら繰り返す必要もないかと思います。赴任当時は、自宅からオフィスまで20分ほどの道を歩いて通勤していましたが、車道を横切るたびに緊張しました。「歩行者よりも車優先」を身を持って感じました。また、お客さま宛ての往訪は基本的に車を使いますが、激しい渋滞もあって、とにかくいつ着くかわからない。乗車前には必ずお手洗いにいく習慣は身につきました(トルコに来る社内の出張者にも徹底しています)。
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 日本食環境が厳しい!
日本食レストランや日本食材の調達については、米国勤務が長かった(7年)こともあり、(米国ほど恵まれていないにしても)「現地に行けばなんとかなる」と甘く考えていたところがありましたが……なんともならなかったですね。最初の2ヶ月ほどは単身だったこともあり、スーツケースに入れてきた僅かのカップめんや焼きそばを大事に大事に食べてしのぎ、その後出張で行ったロンドンで、(値段は度外視で)量に日本食材を仕入れて幸せな気分になったことを覚えています。今でも市内のモールのフードコートでお店のラインナップを眺め、トルコ料理がほとんどを占めているのを見るにつけ、複雑な気分になります。
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 英語が通じない!
これも何とかなると思っていたにもかかわらず、なんとかならなかったことの1つです。職場や訪問先では英語で何ら問題ないのが、職場を一歩出ると、スーパーでもレストランでもほとんど英語が通じないことには本当に驚きました。そこで一念発起、トルコ語の語学学校への通学を始めました。始めてから2年以上、今でも週1回通ってますが、なかなか上達しないですね。この歳になると新しい単語を覚えるのが本当に大変で、毎回先生には厳しくチェックされています。買い物などで日常surviveするにはトルコ語が必要な妻、耳から覚えてしまう娘には、既に大きな差をつけられてしまっています。また、自分ではあまり問題ないと思っていた英語も、娘の通うインターナショナルスクールに授業参観に行って、(普段仕事で使わないボキャブラリー満載の)娘のクラスメートの英語が十分に理解できず、新たな壁を感じています。

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Q. みずほ銀行イスタンブール駐在員事務所をご紹介ください!

みずほ銀行イスタンブール駐在員事務所は、2012年2月に開設し、5年を迎えました。所長の私とトルコ人部下2名のアットホームな所帯で、トルコ地域の金融・経済関連に関する情報収集等の業務を行なっています。トルコでビジネスを行なう日系企業はもちろんのこと、トルコ主要金融機関や大手財閥・大手企業等とも幅広く接点を持っています。数多くある業務の中でも、みずほとして、ビジネスでトルコに進出済、あるいは進出を検討されている日系企業様のサポートは、大事なミッションだと考えています。これまで、トルコに進出する日系企業のねらいは、欧州への輸出拠点機能を念頭においたものや、人口増加が著しいトルコ国内の内需をねらったものがメインでしたが、最近は、周辺地域(中東、中央アジア、北アフリカ)へのビジネス展開のハブ機能をトルコに期待しての進出が増えてきているように思います。これを背景に、従来は、自動車関連業種や、消費材関連業種の進出が多かったのに加え、最近ではトルコのハブ機能に着目し、様々な業種で進出が検討されています。トルコ企業に対する日系企業のM&Aや提携の意識もだいぶ変わってきました。このような動きをサポートするために、2017年2月に東京と大阪で「トルコM&Aセミナー」を開催致しました。東京では200名、大阪では60名を超えるお申し込みを頂き、改めてトルコに対する関心の高さを感じました。
また、トルコでビジネスを行い、トルコリラが決済通貨として絡んでくる以上、足下なかなか止まらないトルコリラ安への対応は日系企業にとって重要な経営課題の1つです。トルコリラの動向に関するお問合せが多かったことから、2017年11月にはイスタンブールとアンカラにて「トルコ為替セミナー」を開催致しました。両都市合計で60名を超えるご参加を頂き、トルコリラの動向への関心が如何に高いかを実感しました。
トルコ国内、国外問わず、出張はかなり多い方だと思います。ドバイやロンドンの関連部署との打合せに行ったり、ブリュッセルやデュッセルドルフ、アムステルダム等にある日系企業の欧州統括拠点がトルコを管轄していることが多いので、意見交換や講演を行なったり、トルコ進出を検討している企業様を東京や大阪に訪ねたり、といった具合です。みずほでトルコの状況を最も理解している(と自負している)として、何をどのようにお伝えすれば各社様の正しい経営判断につながるか、お役に立てるのか、日々考えています。

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Q. イスタンブールライフはいかがお過ごしですか?

週末は、家族と自宅や自宅周辺でのんびり、ということが多いです。自宅の近くを散歩したり、家族が発掘してきた新しいレストランを試してみたり、という感じです。この春から、マチカ公園で拾ってきたネコを飼い始めました。今、日本ではネコブームのようですが、それに影響されたわけではなく(飼い始めるまで知りませんでした)、公園にたくさんいた子猫がすり寄ってきてあまりに可愛かったので、つい勢いで連れて帰ってきたというのが実情です。イスタンブールではネコが街の人たちから非常に大事にされており、人間とネコの距離も非常に近く、日本とはだいぶ様子が違うな、と興味深く感じました。週末は、家でネコとも遊んでいます(遊んでもらっています)。

夏休み等のまとまった休みには、家族で欧州各国に旅行しています。これまでドイツ各都市のクリスマスマーケット巡りや、イタリア各都市の美術館巡りなどに行きました。皆さんお感じになっていると思いますが、イスタンブールからターキッシュエアラインを使えば、どの欧州主要都市にもアクセスがよいので、欧州地域に旅行するにはこれ以上の環境はないと感じています。
平日、車での移動が多いので、せめて休日くらいは運動せねばと思うのですが、これがなかなか……。イスタンブールに来てかなり体重が増加してしまい、家族からも厳しいチェックを受けているのですが、つい運動は後回しになってしまいます。今年11月のイスタンブールマラソンは10キロの部に参加しましたが、イスタンブールに来てからの2年半の体力の衰えを痛感しました(かつて日本ではフルマラソンも走ったのですが……)。せめて、日本帰国前に、体重だけは元に戻して帰りたいと思っています(家族には約束してしまいました)。


 

 

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HIRONOBU KOMINE

Mizuho Bank, Ltd.  Istanbul Representative Office   
Managing Director, Chief Representative Istanbul

 

1992年 入行
1999年 シカゴ支店 
2003年 ニューヨーク支店 
2009年 M&Aファイナンス営業部
2015年 イスタンブール駐在員事務所

 

 

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MIZUHO BANK, Ltd.  ISTANBUL REPRESENTATIVE OFFICE

 Office813,Tekfen Tower 8th Floor,Büyükdere Caddesi.No:209,4.Levent 34394,Istanbul-Turkey
 +90-212-371-8474

 www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/network/office/europe/istanbul.html

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 Istanbul Navi 2017年11月号 39通 トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ターキー 石井雅仁さん   The駐在員リレー@ISTANBULバックナンバー 

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