The駐在員リレー@ISTANBUL 第35通
Istanbul Navi 2017年6月号
From 坂本 隆之さん
(株)フジテレビジョン イスタンブール支局長
Q. トルコ赴任時のご感想をお聞かせください!
思えば私のサラリーマン人生、初の海外出張で訪れたのがトルコでした。入社時は記者ではなく、ニュースカメラマンとして報道マンのスタートを切りました。それまでテレビカメラに興味も触ったこともなかったため、当時の上司に「カメラマンなんてできるわけありません!」と訴えたところ「ニュースカメラマンというのはピントが少しくらい狂っていてもいいんだ。それより大切なことは、人より1歩前に出て撮影することだ」と言われ、「それならオレにもできるかも」と必死にカメラの勉強をしたことを覚えています。トルコ初出張では南部シロッピやディヤルバクルを拠点に3週間ほどクルド難民の取材を行いました。疲れ果ててイスタンブールに戻り、先輩が予約してくれた当時オープンしたばかりのチュラーンパレスホテルに3泊したことを昨日のことのように覚えています。それ以来トルコに来ることはなかったのですが、弊社の中東支局をエジプト・カイロからイスタンブールに移すことになり去年9月にイスタンブール支局を開設、20数年ぶりにトルコに戻ってくることになりました。トルコという国にやや運命的なものを感じています。
イスタンブールの人混みと車の多さにはウンザリですが、『
Q. フジテレビジョン イスタンブール支局をご紹介ください!
イスタンブール支局のカバーエリアは中東全域、アフリカ・東ヨーロッパに及んでいます。イスタンブールの西、イェニボスナにある事務所は、トルコの通信会社「IHA」内にあります。アタチュルク空港からは車で5分程度というロケーションを生かし、有事があれば世界中どこにでもすぐ駆けつけることができるのが強みです。通常業務はトルコや担当地域で起きたニュースを取材し、リポートなどをつけて東京へ送ること。我々が書いた原稿やリポートが〈めざましテレビ〉や夕方、夜のニュース番組で流れることになります。
2017年は、元旦に起こったオルタキョイのナイトクラブでのテロという最悪の事件でスタートしました。その後、4月の憲法改正の国民投票はもちろん、5月はイラクのモスル、イラン大統領選挙、トランプ大統領の初外
いわゆる特派員の仕事は、ここ10年でかなり様変わりしました。一番の違いは「生中継」です。生中継といえば、大きな皿のようなものが付いた中継車を皆さんも想像すると思います。実は最近は小さなリュックサックのような機器ひとつで、狭い路地でも部屋からでも生中継ができてしまうのです。この「LIVE-U」(左写真)と呼ばれる機器の誕生が特派員の活躍の場を広げ、おかげでどんなときでも「すぐに生中継やってくれる?」
Q. イスタンブールライフはいかがお過ごしですか?
我々の業界は「休みが不定期」というのが最大のネックです。基本的に休みはなし。土日でもゴルフ中でも、テロが起きれば容赦なく現場へ行き原稿を書かなければなりません。酒場でPCを開き、原稿を書くことは日常です。だからなかなか海外へ旅行もできない……イスタンブールにいることが仕事のひとつなのです。シシリの家からはボスポラス海峡が眺められるのですが、季節とともに海のブルーが変化していく、そんな表情を見るのが好きです。
TAKAYUKI SAKAMOTO
Fuji Television Istanbul Bureau Chief
1990年 フジテレビジョン入社。映像取材部、政治部、〈報道2001〉、社会部、スポーツ部など
2002年 クアラルンプール支局長
2007年 報道番組プロデューサー、社会部デスクなど
2014年 お台場夏イベント団長
2015年 ベルリン支局長
2016年 イスタンブール支局長
FUJI TELEVISIYON ISTANBUL BUREAU
Iharas Haber Ajansi,Ihlas Medya center 34197,Yenibosna,İstanbul-TURKEY
+90-212-454-3947