The駐在員リレー@ISTANBUL 第28通
Istanbul Navi 2016年1月号
From 齋藤 賢 さん
アブディ イブラヒム大塚製薬(株)副社長
Q. トルコ赴任時のご感想は?
初めてのイスタンブールは2012年の真冬の一人出張でとても寒く、雨が続き昼は暗く、さらに仕事も慣れていなかった中で “この出張をやりきれないかもしれない” と感じたことを覚えております。初めてが冬でしたので、その後の出張はまるで別世界、歴史あるイスタンブールの街を十分に堪能しながら仕事をさせて頂きました。その節々で会うトルコ人にはいつも何か気が付かされ、例えば電車の中では青年が当たり前のようにお年寄りに席を譲る姿を頻繁に目にし、この国の人の暖かさには学ぶべきところがあると感銘を受けました。
Q. アブディイブラヒム大塚製薬(株)をご紹介ください!
大塚製薬のイメージはポカリスウェット、オロナミンC、カロリーメイトといった消費者関連商品かと思いますが、トルコでは医療用医薬品の製造/販売を現地製薬最大手のAbdi Ibrahimとの合弁会社であるAbdi Ibrahim Otsukaを通して行っております。2012年10月に“大塚製薬が開発した革新的製品の価値を最大化し、トルコの医療に貢献するため”に合弁会社を設立し、現在まで統合失調症やうつ病をはじめとする精神病、電解質異常、慢性骨髄性白血病、動脈硬化といった疾患の治療薬をトルコ国内で販売をしております。またMaghrebにも弊社を通じてビジネス展開をしております。現在社員は54名で、私は日本大塚の現地代表として、既存製品のマーケティングを中心に新規品目の導入を担当しております。国内の出張も多く各地の大学病院を訪問して大学教授から製品戦略のアドバイスを頂くことも日常業務の一つです。トルコでは外部条件の前提が立ちにくいこと、治療に対する考え方の違い、また医療インフラ(医師数、病床数等)が先進諸国に比べてまだ開発途中であることから、世界の成功体験をそのまま適応するのは弊社の場合においては得策ではありません。新しい戦略が必要な訳ですが、社内で対立する意見の中で一筋縄では中々分かり合えないと感じており、大塚製薬という商品 を ”熱意“を持って語り、化学反応によって新しい価値を創造し、それを相手と共有すること、これが組織的実行には必要だと考えるようになりました。多様性による対立は、コミュニケーションを通してビジネスパートナーとして認め合うことを可能にし、目的の共有が出来るからです。大変ですが対立をして議論をした結果が、深い絆を生んでいると感じております。
Q. イスタンブールライフはいかがお過ごしですか?
出張が多いのでイスタンブールに居るときには家で好きな音楽を聴いてリラックスしながら、自分でもやっています。天気のいい日には気分転換に街へ出かけてイスタンブールを感じながら読書をしたり買物したりしています。歴史のあるイスタンブールの昔の姿や人を想像しながら街を歩くのも非常に感慨深いものがあり、ここでしか出来ない貴重な体験だと思っています。
A
Ken SAITO
2005年 大塚製薬(株)入社
2011年 Otsuka International Asia Arab事業部 香港・シンガポール・マレーシア担当
2013年 Otsuka International Asia Arab事業部 トルコ担当
2014年 アブディイブラヒム大塚製薬(株) イスタンブール出向
Abdi Ibrahim Otsuka Ilac San. Ve Tic. A.S.
Reşitpaşa Mah,Eski Büyükdere Cad.No:4,34467,Maslak,Sarıyer,Istanbul-TURKEY
+90-212-366-8400
Istanbul Navi 2015年12月号 第27通-シマヅ・ミドルイースト・アンド・アフリカFZE トルコ支店 社長 佐野 正一さん